ブルーな気持ち

出世するのは大変だ

同じ穴のムジナの物語
銀行を舞台にした物語は、池井戸氏の得意とする分野である。
読者も、組織、職位、担当で人物のイメージを想像しやすいので、物語に這い込み易い。
この作品も、銀行が舞台、主人公と相対する嫌な上司が、悪い取引先と結託して事件を起こし、主人公がその濡れ衣をかぶると言う流れ。
その中に融資担当者の財務分析やバブル以降の金融界の変遷史などがちりばめられており、経済の勉強にもなる。
ただし、勧善懲悪ではないと思う。
今回も宿敵の悪役支店長も最後に家族のことを思い悩む平凡な父親像をさりげなく描いている。
実に読者を飽きさせない憎い構成に出来上がっている。
半沢課長は、支店長の内部告発すべき罪を、次長の地位と交換に黙認し、延々と続く組織内抗争を想像させる最後である。
どうも、すっきりしない読後感が残る。
結局、主人公半沢課長は、正義の味方ではない。
銀行と言う組織の中でうごめく同じ穴のムジナなのではとさえ思えてくる。

銀行サスペンス
密室推理モノとか山岳冒険モノとか法廷サスペンスなどと同じ意味合いで「銀行モノ」が大好き。
銀行暴露モノと言った方が良いのでしょうか。
さすがに現場ではこの10年で様変わりしているでしょうが、他の業界には見られないような減点主義の人事評価、本店エリートと支店兵隊、学閥、ゴマすりなど、自分好みの人間関係ドラマが生まれやすい特殊環境に興味はつきません。
作者の池井戸氏は、私のような銀行内幕フェチの期待に十分答えながらも作風を広げ、ここ最近では直木賞候補に上がるような作品を残されています。
本作も、意地の固まりのような熱血銀行マンが、プライドをかけた勝負に出る一級品のサスペンスとしておすすめできる作品です。

銀行で出世するのは大変だ。

池井戸さんの本を読むと銀行で出世するのは大変だといつも感じる。
本書はバブル期に入行した5人のうち一人が主役。
追い込まれる姿は読んでいても辛かったが、後半は爽快。
金融機関の横領事件は良く聞くが、お金を見ていて、悪知恵が働くとやりたくなるのもわかる気がする。
横領といっても手が込んでいるのだろう。
オレたちバブル入行組池井戸 潤
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by kamematazu1r | 2011-08-03 19:05 | 読書
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