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ブルーな気持ち

滅多に出会えることの無い

分厚く、鮮烈で、濃厚。
深く感動いたしました。
「インサイダー」を見たとき以来の感動です。

正直、北野監督がここまで素晴らしい作品を創れるとは思っていなかったので、大変驚いております。


この映画は受け入れ難く重々しいです。

しかし、内包しているメッセージの大きさや重さは、それを構成する映像・音声をはるかに超えています。


滅多に出会えることの無い傑作です。



また今度、このような映画に出会えたらうれしく思います。
男が女を救おうとするマッチョな映画文楽の世界観をベースに、3組の男女の美しくも狂おしく、そして悲劇的な愛の物語を互いに交錯させつつ描いた作品。
美しい日本の四季の情景と山本耀司デザインの衣裳が話題になった。
自らの過ちによって不幸にさせてしまった愛する女性への贖罪のため(アイドルおたくの温井は交通誘導→アイドル春奈は交通事故)、己の居場所をかなぐり捨てて彼女に寄り添う3人の男性(歩くシーンがやたらに多いのは遍歴=逸脱の象徴)。
男の想いが女に通じたかに見えた刹那、悲劇が訪れる・・・・・・
温井の死の原因は劇中で語られていないが、春奈が交通事故で(アイドルとしての)人生を失った流れで言えば、やはり轢き逃げだろう(路上の血が拭き取られる際に交通誘導員としての彼の姿が映し出されている点にも注意)。
恋人を捨ててヤクザとなった親分が、ヤクザとしての宿業ゆえに銃殺されるのと同じ構図である。
結局、己の過ちからは逃れられない無情さ。


菅野美穂の能面のような表情、西島秀俊の抑揚のない棒読み調の台詞が印象的。
まさに人形ですな。
死人のごとく不気味に彷徨する2人は、既に此岸の者ではなくなっている。
ラストシーンは「心中」の隠喩か??映像だけとか、物語がベタ過ぎるとか色んな方のレビューを見てて思うのですが、
それぞれの物語がベタすぎるとか、映像美だけとかって書かれてますが・・
下手すると外国に媚売ってるとか書いてらっしゃる方もいるみたいですが


あの、、基本的にこの物語はハリウッドみたいに純粋に映像とセリフに代表される「表に出てるストーリー」を楽しむものじゃないと思うんですね。
 

「何十年も土曜日に弁当を持って彼氏を待ち続ける女」なんて現実にいる訳ないじゃないですか

それを、「そんな女現実にいるわけないじゃん」ってツッコんでもしょうがないですよ。

映像で見たまんま、セリフで言ったまんま解釈してどうするんですか


それぞれ3つの物語は、色んな愛の形を3つに大別して、単純化しているだけ。


誤差はあってもそれ相応の恋愛経験のある人は、自分がしてきた愛の形に「近い」ものがあったのでは?  自分ではなくても周りの人でいたのでは?  

愛する人を意図的でなくても傷つけてしまった人、 その罪悪感を拭うのに苦労、または払拭出来ない人
きっと永遠に戻らない(であろう)彼氏(彼女)を待ち続ける男(女)
自分の愛する人が堕ちてしまい、それを追う様に自分も堕ちていく人

それを「ものすごーく単純な分かりやすいベタな物語」にして、あくまで例として重ねてるだけだと思います。



日本の四季を美しく描いた→「外国に媚を売ってる」、「外国の映画賞を意識しすぎ」
ってのも全くよく分からないですね。
  

上記の様な単純思考の方々は、

「一年間通じてデッカイ赤い縄つけて歩くカップルがどこにおんねん」

とか言いそうですが、 別に監督の意図は「綺麗な映像を撮る」事でも、もちろん外国の映画賞を意識した訳でもないと思いますよ。


あくまで「時間の流れ」を四季で表現しただけであって、その時間の流れを表現するのに一番分かりやすかったのが四季であっただけだと思う。
  
少なくとも「日本の綺麗な四季」を映像化して外国に宣伝する為じゃなかった事は断言出来る。


自分の愛する人が自分のせいで白痴になってしまい、それから2人して堕ちて最期を迎えるまで、 二人には色んな思い出や、もちろん辛い事もあって、
その時間と回想を、四季と重ね合わせた「映像」、それと二人の道のりを「歩く」事で表現しただけだと思うのですが。


仮に、「日本の四季を海外に宣伝しない為」に、どっかの夏の海の浜辺で二人がず?っと座って回想してたらいいの? 
「時間的に」どれだけ思い出があって愛してたかも、その愛がどれ程辛かったかも全然伝わらないじゃん。


暑い道、寒い道、綺麗な道、汚い道、を「歩く」事で2人の刹那的(二人にとっては幸福的)な運命を表現してると思うのですが

四季の映像 = 時間
歩く = 二人の生きてきた道、経験、思い出
縄 = 運命

を比喩的に表現してるよーな気がします。


監督の意図は違うかもしれないけど、「海外に宣伝するためだけの映像美」よりは近いと思う


この映画の良さが分からないんじゃ、セカチューやタイタニックを見てりゃいい、 ってのは言葉として言い過ぎだとは思うけど
星ひとつ、ふたつの人は、逆にもうちょっと読解力、想像力を持たないと日常生活困るでしょ、 コメント見る限り。

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by kamematazu1r | 2011-08-03 23:27 | DVD
日記
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